2022年2月28日

太陽光発電の基本

デマンドコントロールとは?太陽光発電を活用しよう!

「デマンドコントロール」という言葉を聞いたことはありませんか。デマンドコントロールを行うことで、使用電力をカットできるうえ、生産性の向上が見込めます。また、環境への配慮にもつながり、現在企業からの需要は高まっています。今回は、デマンドコントロールとは何か、デマンド監視との違いを紹介します。

デマンドコントロールとは?

デマンドとは「需要」「値」を意味し、デマンドコントロールは30分間の平均使用電力のことを言います。毎時間、0分と30分のタイミングで、使用電力の平均を割り出します。電気代の基本料金は、このデマンド値で決定されます。一度決定されると1年間は変更できません。デマンドコントロールシステムを利用すると、使用電力の最大値を抑えて電気代の基本料金を抑えることができます。

■デマンド値が高くなるとどうなる?
1年間の基本料金が決まるデマンド値ですが、一度でも高い値が出ると、基本料金も高くなってしまいます。 電気料金を最低限にとどめたい場合は、デマンド値を低い数値で保ち続けなければなりません。

デマンドコントロールのメリット・デメリット

「デマンド値が高くなると電気料金が高くなるなら、デマンド値を抑えればいい」と思うかもしれません。しかし、デマンド値はただ少なくすればいいというわけでもないのです。ここで、デマンドコントロールのメリットとデメリットの両方を見てみましょう。

■メリット
デマンドコントロールシステムを導入すると、電気料金を抑えられる他、平均使用電力を自動調整してくれます。たとえば、冷蔵庫の設定温度を平均の範囲内に収まるよう、微細な調整も可能です。同様の作業を人が行うことを「デマンド監視」といいますが、ヒューマンエラーは避けられません。また、照明や空調の温度設定など、調整範囲は限定的です。

■デメリット
デマンドコントロールシステムを導入すると、人が行うよりも金額は高くなります。導入コストよりも生産性が向上するのなら、一考の価値はあるでしょう。しかし、たとえば工場に導入した場合に、自動調整によって工場内の空調がオフになることもあります。そうなれば、働いている社員が体調を崩すかもしれません。これでは生産性の向上を見込めなくなります。電気代を抑えつつ、微調整も可能なのがデマンドコントロールです。反面、融通を利かせづらい面もあります。職場への導入を考えているのなら、導入費はもちろん、業務内容や環境についても鑑みる必要があるでしょう。

デマンドコントロールには太陽光発電と蓄電池が役立つ

デマンドコントロールで得られる効果を、よりはっきりと実感出来るのが「太陽光発電」と「蓄電池」を併用することです。最初に、「太陽光発電」を使用したときに期待出来る効
果を説明します。

■太陽光発電によるピークカット
太陽光で発電した電力を使い、電力会社から買っている電気を削減する方法です。ピークカットでデマンド値をある程度削減出来るため、コストダウンが見込めます。

■蓄電池によるピークシフト
一般的に見て、昼間は電気使用量が多いため、夜間よりも少し高めの金額が設定されています。夜間の方が割安ですから、蓄電池に夜間の電気を貯めておき、昼間の消費電力を一部まかなう方法を、ピークシフトといいます。デマンドコントロールによる自動制御にプラスして、ピークカットおよびピークシフトを合わせると、より効果的な電気料金削減を実現できるでしょう。

デマンドコントロール導入の流れ

まずは施設内の電気使用状況を調査します。電気をどれくらい消費しているか、どんな機械をどれほど使っているのかを、専門家に見てもらいます。状況によっては、導入には不向きと判断されることもあります。また、電気料金の明細を過去2年間分提出します。もし手元に明細書がなければ、電力会社に問い合わせてください。

■電力会社に減設申請する
デマンドコントロール導入後は、電力会社に減設申請します。契約している電力を下げてもらうために、申請します。減設申請をしなければ、導入しても、電力カットには繋がりません。
デマンドコントロール導入の注意点
デマンドコントロールのメリットを受けるための注意点を説明します。

■デマンド値の設定は慎重に
導入時に、目標とするデマンド値を設定します。あまり高い数値にすると電気代がかかりますし、低すぎれば業務や社員に悪影響を及ぼすリスクがあります。契約した数値を上回ってしまうと、契約超過金を支払わなければなりません。数パターンの状況でデマンド値を測定し、平均を割り出して、無理のない範囲で設定しましょう。

■コントロールする場所の選定
電力を自動調整する場所を決めます。このとき、工場や重要な機器を使用しているところは避けましょう。サーバーなどが置いてあるところで調整が入ると、通信トラブルを引き起こす恐れがあります。食堂や一部照明、空調を対象とするのが一般的です。労働環境や業務内容など多角的に見て、導入の優先順位を決めておくとスムーズです。

自治体から補助金が出ることも

新型コロナの流行に伴って、デマンドコントロールの需要は高まっています。各自治体も積極的に補助金を出しています。補助対象となる設備や経費、補助金額、対象企業はそれぞれに異なります。まずは自治体へ問い合わせてみましょう。

もし導入を検討しているのなら、専門の業者に、一度状況を判断してもらいましょう。自社のみで設備構築をしたり、調整する場所を選定したりするのは容易ではありません。複数の業者から見積もりを取って、比較するのも大切です。