2022年1月21日
太陽光発電の基本
太陽光発電の維持費はどのくらい?
太陽光発電の維持費はどのくらい?そんな疑問にお答えします。
太陽光発電は導入費用ばかりに目が行きがちですが、維持費を意識することも重要です。メンテナンスをきちんと行えば、故障を防いで機器の寿命を延ばし、設備性能を維持できます。またゴミを取り除いたり草木の除草を行ったりすることで、発電効率の低下を防ぐことができます。そこで今回は太陽光発電のメンテンナスの必要性と維持費用について説明していきます。
太陽光発電の維持費の相場
太陽光発電には導入費用とそれを維持していく維持費用が必要です。ここではメンテナンスの必要性や維持費用について説明していきます。
■メンテナンスの必要性
太陽光発電のソーラーパネルは屋外に設置されるので常に外気や強風、雨などにさらされています。定期的にメンテナンスを行わないとパネルの故障や破損に気づかず、結果的に寿命が短くなってしまいます。ソーラーパネルの法定耐用年数は17年で、実際の寿命は20年~30年。パワーコンディショナの法定耐用年数は17年、実際の寿命は15年~20年です。できるだけ長く使うためには、メンテナンスが必要になります。また、メンテナンスは設備の寿命を延ばす以外にも、発電量の低下を防ぐ目的があります。ソーラーパネルはパネル内部の半導体が動くことで電気を作り出すため、パネルの表面に鳥のフンやゴミなどが付くと太陽光が内部まで伝わりづらくなり、発電効率が落ちてしまうのです。発電効率を落とさないためにも、定期的に掃除を行ってゴミを取り除きましょう。
■維持費用
太陽光発電の維持費用は、住宅用と事業用でkWあたりの金額が異なります。2021年の資源エネルギー庁のデータによると住宅用は年間3,000円/kW、事業用は年間5,000円/kWです。4kWの住宅用であれば年間約12,000円、10kWの事業用であれば年間約50,000円になります。
太陽光発電の維持費の内訳
太陽光発電の必要性と維持費用について説明しましたが、維持費用の内訳は定期点検費用、故障や破損時の修理代、除草や清掃、パワーコンディショナ代、固定資産税などがあります。
■定期点検費用
太陽光発電は4年に1回以上の定期点検が推奨されており、1回につき3万円程度の金額がかかります。施工会社が無料で行っている場合もあります。ソーラーパネルを長く使うためにも定期点検は重要です。
■故障や修理代
ソーラーパネルの修理代は1枚10万円~15万円です。またケーブルが断線した場合はパネルごとに交換する必要があります。パワーコンディショナは太陽光から得た電気を家庭用で使うために変換する機器です。パワーコンディショナは多くの場合、10年保証や20年の保証がついており、保証期間内であれば修理や交換を行ってもお金がかかることはありません。しかし保証期間外に故障すると1台あたり修理には数万円、交換には20万円~30万円かかります。導入時に保証が長いメーカーを選ぶのも大切です。売電メーターは設置から10年ごとの交換が計量法によって定められています。交換費用は1万円~2万円で、電力会社によっては無料で交換に対応してくれるところもあります。
■清掃費用
草木が日光を遮ったり、パネルの表面に鳥のフンやゴミなどが付いたりすると太陽光が内部まで伝わりづらくなり、目詰まりを起こして発電量の低下を招きます。清掃代はパネル1枚あたり500円~1,000円、除草は1㎡あたり50~150円です。
太陽光発電の維持費以外にかかる費用
太陽光発電の維持費以外にかかる費用としては、太陽光パネルやパワーコンディショナなど設備一式の購入費用、設置費用、土地代などです。そして廃棄や撤去時に費用がかかります。
■設備費用
ソーラーパネルやパワーコンディショナは新品だけでなく、中古品も多く流通しているので、少しでも導入コストを抑えたい方は中古での購入も選択肢になります。
■設置費用
設置費用は屋根の形状によって、足場の組み立てなどがありケースによって工事費用が大きく異なる場合があります。また助成金がある自治体もありますので、導入時には必ず確認するようにしましょう。
■土地代
新たに土地を購入して太陽光発電を導入する場合は土地の購入費用がかかり、借りる場合は家賃が必要になります。
■廃棄・撤去費用
太陽光パネルを撤去する場合は廃棄・撤去費用がかかります。廃棄・撤去費用の目安は導入費用の5%か1kWあたり約2万円です。50kWであれば約100万円かかります。屋根から取り外す際に足場を組む必要があるため、足場費用が別途かかります。
まとめ
今回は太陽光発電のメンテナンスの必要性と維持費用について解説しました。定期点検を行うことで
故障に早く気づき、太陽光パネルやパワーコンディショナの寿命を延ばすことにつながります。またパネルの表面に鳥のフンやゴミなどが付くと太陽光が内部まで伝わりづらくなり、発電効率が落ちてしまいます。また日光を遮る草木を切ったり、除草したりする必要もあります。発電効率を落とさないためにも、定期的に掃除を行ってゴミを取り除きましょう。メンテンナス費用は住宅用では年間3,000円/kWなので、4kWの住宅用であれば年間約12,000円かかります。事業用では年間5,000円/kWなので、10kWの事業用であれば年間約50,000円かかります。太陽光発電の導入を検討している方は維持費用も考慮に入れてください。また導入済の方は定期点検などを行い、設備をよい状態に保ちましょう。